artscapeレビュー

麻生三郎 展

2011年02月01日号

会期:2011/01/05~2011/02/20

京都国立近代美術館[京都府]

関西在住の私にとって、麻生三郎はネームバリューの割にやや馴染みが薄い存在。そんな彼の作品をまとめて見られるとあって、興味津々で馳せ参じた。会場には初期から晩年まで、約130点の作品が並んでいたが、なかでも圧倒されたのは、すべてがドロドロに溶けあった晩年の作品群だった。得体の知れないエッセンスが充満していて、とても癖が強いのだけど、異様なパワーに満ちた画面から目が離せない。作品を見るうち、何故か琵琶湖名物の鮒寿司を連想した(関東風に例えると、くさや汁ってところ)。変なたとえだけど、見た人にはきっとわかってもらえると思う。

2011/01/04(火)(小吹隆文)

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