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森村泰昌 なにものかへのレクイエム─戦場の頂上の芸術

2011年02月01日号

会期:2011/01/18~2011/04/10

兵庫県立美術館[兵庫県]

東京、愛知、広島を巡回し美術ファンの注目を集めてきた本展が、遂に(やっと)関西で開催。待たされた分だけ期待は膨らんだが、森村の作品はこちらが勝手に上げたハードルを楽々と超えてきた。「時代」という得体の知れないものに真正面から向き合って、堂々たる見解を示したその手腕に感服! また、映像作品の比重が高まっていることから、今後の森村の展開へも思いを馳せることができた。全43点の作品のうち、私が特に注目したのは、《烈火の季節/なにものかへのレクイエム(MISHIMA)》と、《海の幸・戦場の頂上の旗》の2作品。共に映像で、これまでの森村では考えられないほどメッセージ性の強い作品だ。この2点を見られただけでも、本展は価値があると思う。

2011/01/22(土)(小吹隆文)

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