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2016年12月15日号のレビュー/プレビュー

北海道組 レクチャーシリーズ34「五十嵐太郎」

会期:2016/11/27

シネマカフェ[北海道]

北海道組の企画で、シネマカフェにてレクチャーを行なう。これまでに関わった展覧会や執筆した著作に触れながら、筆者が同時代的に知っている1980年代から現在までの大きな変化を語る。これは当然、いま当たり前だと思っていることも、いずれそうでなくなるかも、という歴史の可能性を学生に知ってもらうのが狙い。

2016/11/27(日)(五十嵐太郎)

丸田絢子《札幌の平屋》

会期:2016/11/28

[北海道]

丸田絢子の自邸、《札幌の平屋》へ。二層以上の箱型の家が並ぶ住宅地で、カーポートと軒下空間を抱えた門型フレームをぐいっと道路側に置き、シンプルかつフレキシブルなL字プランにゼロ勾配の屋根をかける。青木淳の事務所出身だが、前衛を目指すのではなく、小室雅伸が追求した北海道の環境に対応する建築を発展的に継承し、寒冷地の経験を引き継ぐ型を定着させる試みだった。その後、建築家が設計した住宅や自邸が集中する円山西町も案内してもらう。確かに、一目で建築家物件とわかる。それにしても北海道建築作品発表会が毎年ちゃんと冊子になっているのは羨ましい。

写真:左=上から2つ、札幌の平屋、円山西町 右=上から2つ、札幌の平屋、円山西町

2016/11/28(月)(五十嵐太郎)

クリストとジャンヌ=クロード展

会期:2016/10/05~2017/01/29

札幌宮の森美術館[北海道]

クリストの展覧会をやっていたので、札幌宮の森美術館へ。彼の活動をたどる内容で、知らない作品にも出会い、収穫はあったが、何よりも驚いたのは結婚式場・チャペルに付属する美術館だったこと。これが微妙な古典主義+大胆な壁画の建築で、ここのデザインは収蔵するアート作品並みだとよいのだが。

2016/11/28(月)(五十嵐太郎)

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名知聡子「Good-bye and thank you for everything」

会期:2016/11/23~2016/12/19

8/ART GALLERY/Tomio Koyama Gallery[東京都]

札幌から東京へ。渋谷の8/ART GALLERYで名知聡子展「さよなら、ありがとう」。夏に名古屋で見た息をのむような大型の肖像作品も場所が変わると、少し違って見える。審査で関わった「新進アーティストの発見inあいち」以来、各地で見てきたが、対象をはっきりさせない点描のテクスチャーが今回登場していた。

2016/11/28(月)(五十嵐太郎)

クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91

会期:2016/10/01~2016/12/04

水戸芸術館現代美術センター[茨城県]

茨城県北芸術祭開催(もう終わっちゃったけど)に合わせ、4半世紀前に県北の地で行なわれたクリスト&ジャンヌ=クロードによる《アンブレラ》プロジェクトを回顧。《アンブレラ》は、太平洋を隔てて茨城県とカリフォルニア州の日米2カ所で、直径8.7メートルの巨大傘3100本を開くという途方もなくバカげたプロジェクト。近年こうしたおバカなプロジェクトが減り、お行儀がよくて社会の役に立つアートばかり増えているのは寂しい限りだ。展示は、数十点に及ぶドローイングやコラージュを中心に、写真、記録映画、傘本体のほか、分厚い束の調査書や厖大な量の契約書、許認可書、アルバイトの手配、傘の開閉マニュアルなどの資料も出ている。傘をつくって立てるだけでも大変なのに、傘が風に飛ばされないように風洞実験を重ね、傘を立てる土地の地権者全員に会って許可をもらい、工場に特注し、数百人ものスタッフを集めて管理しなければならない。そうした事務手続きを考えるだけでも気が遠くなりそう。いくら分業しているとはいえ、これだけの作業をこなす合間に数百点ものドローイングを描くのだから、やっぱりクリストはすごい。というところに感心していてはいけないんだけどね。

2016/11/29(火)(村田真)

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