artscapeレビュー
2010年02月15日号のレビュー/プレビュー
松山隼 展──今日のお祈り
会期:2010/01/06~2010/01/29
INAXギャラリー2[東京都]
去年見た東北芸術工科大の卒業・修了制作展のなかでほとんど唯一覚えていたのが、松山隼。相変わらず分厚く絵具を盛り上げて白いシャツの人物を描いている。どれも手を胸の前で合わせているので、祈っているポーズらしい。モチーフも技法もほとんど決まってるため、あとはサイズを変えるとか、支持体をパネルにするか綿にするかとか、ちょっと立体にしてみるとか、いろいろ試しているようだ。彼もまだ今年25歳だが、この先50年、一生これを続けていけばスゴイ。
2010/01/21(木)(村田真)
銅金裕司「6本目の指@ASK?2010」
会期:2010/01/12~2010/01/23
ASK? Art Space Kimura[東京都]
手前に接木したサボテンの鉢が置かれ、奥には、型取りした指を接木のように親指と人さし指のあいだに置いて、6本目の指を体感してもらう机。6本目の指、必要か。足には必要ないわな。それより、会場に流れていた伊東ゆかりの「小指の思い出」が耳から離れませんが。
2010/01/21(木)(村田真)
近藤竜男 展
会期:2010/01/12~2010/01/30
ギャルリー東京ユマニテ[東京都]
近藤竜男といえば、『美術手帖』や『芸術新潮』にニューヨークからのアートリポートを連載していた人。もちろん画家としても知ってはいたが、まとめて作品を見たのは帰国された翌年2002年、練馬区立美術館での回顧展のときだった。その作品は、モノクロームのグラデーションの上にハードエッジの線を置いた抽象画。手の痕跡を残さないシャープな仕上げが、不満といえば不満だった。ところが今回の作品は、下描きが見えていたり、グラデーションに塗りムラがあったり、絵具の滴りや筆のかすれも隠さなかったり、以前には見られなかったラフさが目立つ。その分ぬくもりが感じられるともいえるが、昔の作品を知ってるものにとっては、老いのせいではと心配にもなる。今年77歳。
2010/01/21(木)(村田真)
堀込幸枝 展
会期:2010/01/16~2010/01/30
ギャラリー椿[東京都]
アウトフォーカスで描いた瓶の絵が中心。絵具を何層にもていねいに塗り重ねて描いているので、色彩も形態も100年前からここに鎮座してますみたいなすました顔をしている。どういう顔だ。小品、お買い上げ。
2010/01/21(木)(村田真)
鈴木敦子 展
会期:2010/01/12~2010/01/23
藍画廊[東京都]
花や雪やストライプを、モノクロームに近い抑えた色彩で描いている。その上に半透明のジョーゼットを張ったり。なんか頼りなさげ。
2010/01/21(木)(村田真)