artscapeレビュー

日常の変容──多摩美術大学大学院油画修了生有志学外展

2012年04月15日号

会期:2012/03/26~2012/03/31

BankARTスタジオNYK[神奈川県]

BankARTでは1月からずっと美大の卒展をやっているが、そのなかではこれがもっともレベルが高かったと思う。まあ大学院だから平均点が高いのは当然だけど、でも残念なのはある程度パターン化しているようで、よくも悪くも飛び抜けて注目に値するもの、つまりベラボーな作品がなかったこと。そのなかでも好感がもてたのは、余白を大きく残しながら植物の実のようなものを描く姜善英、延々と自画像(ナルシスティックでないのが幸いだ)を描き続ける河本咲子、しわの寄った毛布にこだわる渡邊聡志、妖怪女を描いた襖を組み立てて小屋にした田川春菜あたり。

2012/03/27(火)(村田真)

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