artscapeレビュー

2011年度京都造形芸術大学卒業制作関連イベント シンポジウム「万博へ、万博から」

2012年04月15日号

会期:2012/03/04

京都造形芸術大学 京都芸術劇場 春秋座[京都府]

京都造形芸術大学の卒業制作展を訪れた。美術、建築、デザインだけではなく、テキスタイル、日本画など、いろいろなジャンルがある。1円玉を集めて103万円をかたどる作品、クリムト的な絵画がある和風の空間インスタレーション、壁が絵になった作品などが印象に残る。旅館の増築のように、傾斜に沿って、奥まで複雑に建物が続いていたことを初めて知った。坂茂による構築物も建設中だった。今回の卒制展のテーマ、万博にあわせて、浅田彰、五十嵐、ヤノベケンジ、岡崎乾二郎のトークイベントが開催された(当初、磯崎新も来る予定だったが、欠席)。五十嵐は建築、ヤノベは自作から大阪万博を中心に語り、岡崎は大阪万博と対極的な構造をもつ1967年のモントリオール万博を論じた。すなわち、丹下健三が全体計画を担当した大阪万博の未来都市がツリー構造だとすれば、モントリオールは逆に一枚一枚の葉がそれぞれの幹をもつ思想だという。

2012/03/04(日)(五十嵐太郎)

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