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KATAGAMI Style──もうひとつのジャポニスム

2012年09月15日号

会期:2012/07/07~2012/08/19

京都国立近代美術館[京都府]

19世紀末から万国博覧会などを通じて西洋に渡った日本の美術工芸品のなかでも型紙にスポットを当てたもので、型紙が西洋の芸術家たちの創作活動にどのような影響を与えたのかを紹介する展覧会。型紙が西洋の美術工芸改革運動のなかで、本来の染色という用途を超えて広がっていった様相を国内外から集めた約400点の作品で俯瞰する会場は、江戸時代に制作された型紙や型紙染めの着物などにより型紙の歴史を概観する第1章にはじまり、英国のアーツ・アンド・クラフツ運動への影響、仏語圏のアール・ヌーヴォー作品への影響、ユーゲント・シュティールなどドイツ語圏における展開、そして現代に受け継がれるデザインと、5つのセクションに分かれていた。息を飲むような繊細な日本の型紙の技術やその文様の美しさが各国の人々を魅了していったという点はよく理解できるのだが、展示された作品は染織からガラス、陶磁器、絵画、ポスター、家具、建築の装飾デザインにまで及んでいて、見ているとだんだんどの点が型紙の影響なのか、そもそもそれが日本の型紙の影響と言えるのか、解らなくなってしまうものも多かった。型紙という括りではなく、日本の美術工芸全般に見られる伝統的文様や意匠からインスパイアされて展開したデザインや作品としたほうが解りやすかったのではないだろうか。華やかで細やかな仕事の美しい作品が多く、充実した内容であったのには違いないのだが。

2012/08/17(金)(酒井千穂)

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