artscapeレビュー

Unknown Life

2012年09月15日号

会期:2012/08/23~2012/09/05

アユミギャラリー+アンダーグラウンド+早稲田スコットホールギャラリー[東京都]

藍画廊とギャラリー現でも「UNKNOWNS」という展覧会やってたし、アート界で「アンノウン」は流行なんだろうか。50すぎのオヤジは「アンノン族」を思い出すが。こちらは昨年8月にカトウチカの呼びかけで始まったシリーズ展で、今回が3回目。3.11以降の予測できない未知の世界に踏み出していこうとの思いが込められているようだ。今回は神楽坂と早稲田の3カ所を会場に計18人が参加。会場ごとに「Body 身体」(アユミギャラリー)、「Travel 旅・変容・変化」(アンダーグラウンド)、「View 視界」(早稲田スコットホールギャラリー)とテーマを分けている。どこも民家だったりホールだったり、もともとアートスペースではない点が展示の難しいところであり、またおもしろいところでもあるのだが、壁をはうツタをプリントしたカーテンを窓に設置した石井香菜子を除いて、場所性を意識した作品は意外に少なかったなあ。わりとキマジメな作品が多いなか、キャンバス上辺の余った布を耳のように突き出した《いかり猫》や、キャンバスから布を上半分脱がせて木枠を滑らかに削った《ヌード2012》などの「絵画」を出した原游は、「シュポール/シュルファス」もズッコケるほどスットボケている。

2012/08/28(火)(村田真)

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