2021年10月15日号
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artscapeレビュー

「東京都美術館ものがたり」展

2012年09月15日号

会期:2012/07/15~2012/09/30

東京都美術館[東京都]

都美術館の誕生から現在まで86年の歴史を振り返るリニューアルオープン企画。大正時代、美術館の建設資金100万円(現在の32億円相当)を東京府にポンと寄付した九州の実業家・佐藤慶太郎から、都美術館を方向づけた東京美術学校校長の正木直彦、旧館の設計者・岡田信一郎、新館の設計者・前川國男らが紹介され、図面やマケットも並んでいる。旧館を知る者(50歳以上)にはなつかしい展示だ。かつてこの美術館に飾られた佐伯祐三、岡本太郎、赤瀬川原平、舟越桂、日比野克彦ら有名美術家の作品も展示されている。あれ?南嶌金平ってだれだろう、絵も地味だし……と思ったら、美術評論家の南嶌宏氏の父上で、長年小学校の教師をしながら都美術館の公募展に出品し続けた「無名の一画家」だという。都美術館を支えたのは幾多の公募展であり、公募展を支えたのはおびただしい数の無名のアマチュア画家だった。南嶌はその代表として晴れて出品となったわけだ。

2012/08/29(水)(村田真)

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