artscapeレビュー

金沢アートグミオープニング企画展「村野藤吾×山本基展」

2009年05月15日号

会期:2009/04/13~2009/07/12

金沢アートグミギャラリー(北國銀行武蔵ヶ辻支店3F)[石川県]

金沢アートグミのオープニング企画展。北國銀行武蔵が辻支店は、村野藤吾による1932年竣工の建物。実は近江町市場北西部分の再開発にともない、13m移動し改装された。その3階のギャラリーにて、村野のいくつかの図面と、金沢在住のアーティスト山本基による作品「桜」が展示された。個人的は、現在の三つの尖塔アーチの開口部ではない、村野の別案の図面が見られたことが興味深かった。非対称なファサードもあったが、採用されなかったのであろう。山本の展示は、床一面に桜の花びらが散った様子をすべて塩で作るもの。驚くほどの花びらの量で、一瞬目を疑う。ちょっとでも触れたり、何かが落ちてしまったりしたら壊れてしまうはかなさが、独特の緊張感を生み出していてよかった。山本は、21世紀美術館の長期インスタレーションルームでも、同じく塩による「迷路」という作品を展示している。

2009/05/03(日)(松田達)

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