artscapeレビュー
藤原康博──bedtime stories 2003-2009
2009年05月15日号
会期:2009/03/21~2009/04/26
会場に入ると、まず妖精か妖怪のような白と黒のビーズで覆われた人形のオブジェが目に飛び込む。夢に出てきそうな強烈なインパクトだ。他に、出雲大社をモチーフにしたジオラマ、「7人の小人」像を描いた平面作品、人間の足をモチーフにした立体など、さまざまな作品が展示されている。共通するのは、神話や、あの世とこの世を媒介する存在などのイメージだという。一見、どれも独立した作品のような印象もあるのだが、会場を歩き回っていると、それぞれが連関して展示空間がひとつの世界として成立していることにも気づきハッとする。二次元と三次元の表現が交錯し、四次元世界にも想像が掻き立てられていく不思議な魅力を感じて興奮。
2009/04/25(土)(酒井千穂)