artscapeレビュー
Arup Japan 設立20周年記念展覧会
2009年05月15日号
会期:2009/04/17~2009/04/26
ニコラス・G・ハイエックセンター 14階 イベントホール「シテ・ドゥ・タンギンザ」[東京都]
アラップ・ジャパン設立20周年を記念した展覧会。坂茂設計、アラップ・ジャパン構造設計による銀座のニコラス・G・ハイエックセンターの最上階で開かれた。企画・展示ディレクターはオープンAの馬場正尊氏。オブ・アラップは、構造設計で有名だが、実際には、設備設計、ファサード・エンジニアリング、プロジェクト・マネジメント(PM)も含めた総合的なエンジニアリング・コンサルタントである。ヨーロッパではファサードの重要性が高い。意匠、構造、設備に加えてファサードという分野が独立していて、ファサードの専門家もいる。アラップ・ジャパンは、ガラスメーカーやサッシュメーカー以外の側面から、日本にファサード・エンジニアリングを持ち込んだといえるのではないだろうか。アラップ・ジャパンの構造部門だけではなく、設備、ファサード、プロジェクト・マネジメントの各分野の成果と、その関連なども見ることができ、インテグレート(統合)されるエンジニアリングの状況がわかるよい展覧会だと思った。会期が短かったのが大変惜しい。展覧会に合わせ、『Arup Japan 建築のトータル・ソリューションをめざして』(誠文堂新光社)という本が出ており、そちらも必見であろう。
2009/04/17(金)(松田達)