artscapeレビュー
DUALISM──小栢可愛 展
2009年05月15日号
会期:2009/04/13~2009/04/25
大阪成蹊大学芸術学部スペースB[大阪府]
ギャラリーに入ると、始めに水の入った浅い水槽があり、両手を水の中に浸けるようにうながされた。中に弾力のあるビーズの球が入っていて、触るとゼリーのような感触。水の冷たさと柔らかいその感触に目が覚めていくようだ。この幕間のような時間を経たあとで展示を見せるという作家のさりげない演出がニクくとても気に入った。まだ2年生ととても若い作家だが、平面作品から写真、立体、それらを駆使したインスタレーションと、表現手法は多彩ですでに貫禄さえ感じる。自分自身の存在とその二面性を追究するというテーマもさることながら、彼女の観察力には一目置きたいところだ。今後の活動がとても楽しみ!
2009/04/20(月)(酒井千穂)