artscapeレビュー
都築響一『現代美術場外乱闘』/『デザイン豚よ木に登れ』
2009年09月15日号
発行所:usimaoda
発行日:2009年6月6日
エロ・グロの秘宝館やラブホテルなど、アートの越境線を疾走する事例の数々が紹介され、「かっこ悪い」と「かっこいい」のあいだをゆさぶられ、ぐるぐるめぐり、(良識的な人は)目眩をおこしそうな本である。実際、以前にフィレンツェの動物学博物館を訪れたとき、医学解剖の人体標本をつくる職人と芸術家が紙一重であることを痛感した。実は、これらの本は筆者の仕事と重なりあう部分も多く、『過防備都市』でとりあげた排除型ベンチや『ヤンキー文化論序説』の先駆者として、都築の仕事からは目が離せない。
2009/08/31(月)(五十嵐太郎)