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興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」

2009年09月15日号

会期:2009/07/14~2009/09/27

九州国立博物館[福岡県]

夏休みまっただなか、たいへんな賑わいでつねに混雑していると聞いていたので覚悟していたけれど、訪れた時間が遅かったせいか、人だかりが集中するのは展示のメインとなる阿修羅像の周りだけで、全体的に意外とじっくりと鑑賞できたのが嬉しい。興福寺で見たこともあったがまったく印象が異なるように感じられたのはやはりガラスケースなしの360度露出展示のせい。三つの顔面の端正な顔立ちや憂いを孕んだ微妙な表情、六本のしなやかな腕の線がどの角度から見ても美しく、ファンが多いというのもさらに納得だ。左側斜め後ろからの角度で見る表情が特に良かった。一緒に見た両親は全体的に照明が暗すぎると不満ももらしていたが、三つの顔のなかで好きな顔はどれか、ほかに気に入った仏像はどれか、どの角度から見るのが好きかなど、展示仏像の周りをぐるぐる回りながら家族で話し合う時間はそれだけでも楽しかった。

2009/08/11(火)(酒井千穂)

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