2018年02月15日号
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artscapeレビュー

ナイロビアートプロジェクト「ナイロビレジデンス」帰国報告会

2011年05月15日号

会期:2011/04/17

京都芸術センター談話室[京都府]

東京藝術大学大学院博士後期課程に在籍する美術家の西尾美也を中心にした日本人とケニア人の有志からなる、西尾工作所ナイロビ支部により企画運営されているナイロビ・アートプロジェクト。ケニア共和国のナイロビで、日常的な生活空間を実験場に、アーティストと地域住民が創発的な関わり合いを生みだすアートプロジェクトを実践するというもので、3月の1カ月間、このプログラムに参加した東明と松原慈による報告会が京都芸術センターで開かれた。
東は、町の通り沿いにある家具工房の近くで制作した木の棒を組んだジャングルジムのような作品の制作についてや、人々が集う教会でナイロビのゴミ袋とカーテンでつくったパラシュート作品を飛ばすワークショップの様子を報告。松原からは、巨大な広告塔に薄い布を貼り、それをスクリーンにして町の人々を撮影した映像を上映するというプロジェクトや、滞在中に出会ったものごとをアナグラムなどの言葉遊びに変換し、新聞や雑誌にして地元の新聞売りとともに販売したことなどが発表された。
二人のアーティストの活動もさることながら、両者のプレゼンからはともに、まったく異なる生活文化に暮らす人々の常識や社会通念のひとつがあるときにポロっと崩れ、一部の人にしろ、それまでそこになかった別の価値観が好意的に迎えられるときがうかがえて、じつに興味深く感じた。ナイロビアートプロジェクトの今後の活動展開も気になる。
[写真:松原慈が滞在中制作した新聞]

2011/04/17(日)(酒井千穂)

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