2018年02月15日号
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artscapeレビュー

フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

2011年05月15日号

会期:2011/03/03~2011/05/22

Bunkamuraザ・ミュージアム[東京都]

ドイツ・フランクフルトのシュテーデル美術館からの出品。フェルメールの《地理学者》をはじめ100点近い作品をごっそり借りることができたのも、ご多分にもれず美術館の改修工事のためという。宗教画から肖像画、風俗画、風景画、静物画まで万遍なくそろえましたって感じで目の保養になった。お目当てのフェルメールだけでなく、マネのようにじつにあっさりと描くフランス・ハルスの肖像画、農民の風俗画で知られるヤン・ステーンの初期宗教画、マイケル・ジャクソンそっくりのバーレント・ファブリティウス(フェルメールの後継者と見なされたカレル・ファブリティウスの弟)の自画像、当時としては珍しく女性画家として成功を収めたラッヘル・ルイスの花の静物画など、見どころは少なくない。が、やっぱりフェルメールにトドメを刺す。《地理学者》はフェルメール作品としては描写に雑な部分があり、評価はけっして高くないのだが、こうしてあらためて見比べてみるとほかの画家とのレベルの差は歴然。もう空気からして違う。二流画家の最高傑作より、超一流画家の凡作のほうが優れていると断言しよう。

2011/04/25(月)(村田真)

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