2017年05月15日号
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artscapeレビュー

ひっくりかえる展

2012年05月15日号

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会期:2012/04/01~2012/07/08

ワタリウム美術館[東京都]

Chim↑Pomのキュレーションで、ロシアのヴォイナ、フランスのJR、カナダのアドバスターズ、そして日本からはChim↑Pomのほか、「原爆の図」の丸木位里・俊、福島原発の「指さし作業員」竹内公太らが出品。こうして名前を並べただけでもよく実現したもんだと感心するような、ストリートアートと反原発・反核の展覧会。まあ日の目を見なかった目黒の「原爆展」と違って、こっちは勢いだけでヤリ倒した感は否めないが(なにしろ準備期間は半年たらず)。したがって展示はかなり乱暴だし、そもそもストリート系のアートを美術館に展示することの是非も問われなければならないが、そのことも含めて問題提起的な展覧会になっていた。この日はヴォイナのメンバー、アレクセイ・プルツセル・サルノがロシアでの活動を紹介。パトカーをみんなで寄ってたかってひっくり返したり、KGB本部前の跳ね橋が上がる直前に巨大なペニスの絵を描いてKGBに見せつけたり、きわめて挑発的、というより端的にいって犯罪そのものじゃないか。実際メンバーのふたりは逮捕監禁されてるそうだ。アレクセイの発言、「ロシアの内務省では100パーセント汚職が行なわれているが、だれも改革しようとしないのでわれわれがしている。改革とはひっくり返すことだ」「牢屋に入ることはもっともすばらしい贈り物だ。なぜなら国家がわれわれの活動を認めてくれたわけだから」。はたしてアレクセイは無事帰国できたんだろうか……。

2012/04/07(土)(村田真)

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