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artscapeレビュー

アンリ・ル・シダネル展──フランス ジェルブロワの風

2012年05月15日号

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会期:2012/04/20~2012/07/01

損保ジャパン東郷青児美術館[東京都]

シダネルといえばローデンバックの幻想的な小説『死都ブリュージュ』を思い出す(それしか思い出せない)が、今回初めてまとまった作品を見ることができた。なるほど、淡いブルー系の色彩を多用するのは印象派、細かいタッチで描く技法は点描派、バラの花や人けのない食卓で心象を暗示するのは象徴主義、夜景や黄昏時の風景が多いのは世紀末芸術、といったように19世紀後半のいろんな流派をいいとこどりしたような作品だ。それだけにメインストリームに割り込めない脆弱さも感じるなあ。だいたい初期を除いて人物がほとんど描かれてないのも、西洋美術史の王道からはずれてるし。でもその亜流感が妙に心をくすぐったりするのも事実。シダネルはフランス人だけど、こういうタイプの画家ってベルギー人に多くね?

2012/04/20(日)(村田真)

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