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artscapeレビュー

シンポジウム「small music──ロルフ・ユリウスのアートの世界」(スモール・ミュージック──ユリウス追悼展)

2012年05月15日号

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会期:2012/04/07~2012/04/07

京都国立近代美術館[京都府]

前日にアートスペース虹で開催中の追悼展を見に行ったのだが、シンポジウムにも多くの人が集まっていた。音楽学者の中川真氏がコーディネイター、パネリストはロルフ・ユリウスをよく知るサウンドアーティストの鈴木昭男、ユリウスとの共同作業を行なったことのあるフィールドレコーダーのかわさきよしひろ、ディレクターの藤島寛、娘でありキュレーターのマイヤ・ユリウスの4氏。各パネリストから順番にユリウスの作品コンセプトや発表にまつわるエピソードなどが語られ、その活動のあり方を通じた魅力が紹介、議論された。「押し付けがましくなく、耳をそばだてることを求める」という言葉が展覧会のチラシには記載されていたのだが、「静寂」や「不在」から音を引き出すその創作活動と、「日本人よりも日本人らしい」といわれていた彼が完璧な日本庭園は好まなかったという話がつながり、より作品や作家の姿勢を理解できた気がする。微妙、微細、曖昧といった不安定な要素がどこかに感じられる、または感じるからこそ〈small music〉というコンセプトにつながるのだと理解した。彼のファンが多いのも頷ける。

2012/04/07(土)(酒井千穂)

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