2017年09月15日号
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artscapeレビュー

池内美絵 展

2012年05月15日号

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会期:2012/03/20~2012/04/14

Calo Gallery[大阪府]

池内美絵の作品には、剥がれた皮膚の一部や血液など、身体の排泄物が素材に使われると以前聞いたことがあり、気持ちの悪いものをイメージしていたのだが、そんな想像は見事に裏切られた。じつに6年ぶりという個展の会場には、かわいらしい箱に収められたコサージュやブローチなどの小さなアクセサリー、リースをモチーフにした作品、頭部のない小さな人形が並んでいた。布貼りの大型本を展示台にしたそれらの作品はどれも美しく繊細な作業と技術がうかがえるものだった。しかしキャプションをみると、精液、蛇の抜け殻、ヤスデの抜け殻、作者の皮膚などと記されているから衝撃だ。なかでも一番吃驚したのは、実際に飲み込んで排泄後に組み立てなおしたという頭部だけがない人形の《アリス》。とても小さいものなのだが、作家によると排泄後に探したとき、それだけが見つからなかったという。タイトルも想像を掻き立てられるが、作品の世界観にすっかり魅了された。日頃あたりまえに感じているイメージや感覚を鮮やかに翻して見せる素敵な個展。次に作品を見ることができるのはいつだろう。


池内美絵《アリス》(飲み込み、排泄後、組み立てた人形)
池内美絵《コサージュ、ピンブローチ、リング》(蛇の抜け殻、ヤスデの抜け殻、作者の皮膚ほか)



会場風景

2012/04/14(土)(酒井千穂)

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