2017年05月15日号
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artscapeレビュー

ボッティチェリとルネサンス──フィレンツェの富と美

2015年04月15日号

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会期:2015/03/21~2015/06/28

Bunkamuraザ・ミュージアム[東京都]

昨秋、都美でボッティチェリを目玉とする「ウフィツィ美術館展」をやったばかりなのに、またかよ的なダメ押し展。今回の目玉はやはりウフィツィ美術館所蔵のボッティチェリの《受胎告知》だが、これが幅5メートルを超すフレスコ画の大作、つまり壁からはがしたものなのだ。ボッティチェリはこれを描いていたときに、まさか壁から引っぺがされて美術館に展示されるなんて考えられなかっただろうし、よもや500余年後に日本で公開されるなど想像すらできなかったに違いない。本題に戻ろう。同展のテーマは「フィレンツェの富と美」で、英語では「マネー・アンド・ビューティー」と露骨。15世紀にフィレンツェを牛耳ったメディチ家が金儲けの罪滅ぼしとして芸術を支援した、いわゆるメセナの対象としてボッティチェリを取り上げているのだ。金がなくても美は生まれるが、金を注げばさらに美は栄えるというのも事実。展覧会の序盤ではフィレンツェで流通していたフィオリーノ金貨をはじめ、銀行業務を描いた版画、メディチ銀行の為替手形、高利貸しの絵などマネー関係の資料も出ている。メインの作品は10点を超すボッティチェリのほか、フラ・アンジェリコの小品やロッビア一族の彩釉テラコッタなども出ているが、時代が時代だけに工房作や無名画家の作品も多く、主題も日本人になじみの薄い宗教画ばっかり。ただ額縁と一体化した板絵が多く、当時の建築的ともいえる絵画形式がよくわかって勉強になる。

2015/03/20(金)(村田真)

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