artscapeレビュー
谷内薫 展
2012年06月01日号
会期:2012/05/08~2012/05/13
ギャラリー恵風[京都府]
粘土板にスタンプをしたり、切れ込みを入れてから折り曲げて立体化し、素焼きの後、薄く釉薬をスプレーするなどして焼き上げた陶立体。壁掛け型の作品と貝殻のような小品があり、オブジェでありながら使い方次第では器としても成立する。作風はいままでの延長線上で変化はないが、作品から受ける印象はここ1年でずいぶん変化した。すなわち、良い意味で角が取れたのだ。元々の尖鋭さを保ったまま間口が広がったのだから、これは強い。彼女の作品は、より幅広い層に受け入れられる新たな段階に入ったのかもしれない。
2012/05/08(火)(小吹隆文)