2022年08月01日号
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artscapeレビュー

生誕100周年記念──中原淳一展

2013年03月01日号

会期:2013/02/06~2013/02/18

日本橋三越本店[東京都]

戦前から戦後にかけて、人形作家、イラストレーター、デザイナー、編集者など、多様な才能を発揮した中原淳一(1913-1983)の生誕100年を記念した展覧会。淳一が手がけた雑誌の表紙画や挿画の原画と人形など約400点を、時代別に四つの章に分けて紹介する。第1章では『少女の友』(実業之日本社)の表紙や挿画、昭和14年に開いた淳一グッズの店「ひまわりや」など、戦後の活躍の原点となった作品が展示されている。第2章では、戦後の『それいゆ』『ひまわり』『ジュニアそれいゆ』などの仕事のなかでも、とくにファッションへの提案が紹介される。第3章は、衣服にとどまらず、家具やインテリアなど、ライフスタイル全般に及んだ淳一の提案を示す。第4章では、1960年に病で倒れたあと、雑誌『女の部屋』(1970)の仕事や人形作品が展示されている。このほかに、中原のデザインしたドレスやインテリアの再現コーナーもあり、とても充実した作品展である。ただし、1946年から1960年頃までの超絶的な仕事ぶりが解説され、彼が遺した言葉が作品の背景にある思想を語る一方で、家族や仕事仲間を含め、彼を取りまく人間関係がほとんど描かれていないために、淳一の人間像があまりに理想化・神格化され過ぎているように思う。
 本展は香美市立やなせたかし記念館(高知、2013/4/10~5/20)、そごう美術館(神奈川、2013/6/1~7/15)、阪急うめだ本店(大阪、2013/7/24~8/5)、刈谷市美術館(愛知、2013/9/14~11/3)に巡回する。[新川徳彦]

2013/02/18(月)(SYNK)

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