2022年08月01日号
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artscapeレビュー

渋谷区立松濤美術館改修

2013年03月01日号

松濤美術館[東京都]

渋谷区立松濤美術館が、改修工事のために来年初め(予定)まで休館する。休館中は渋谷区文化総合センター大和田で収蔵品展を開催する予定である。
 松濤美術館は静岡市の芹沢銈介美術館(石水館、1981)とともに建築家白井晟一(1905-1983)が最晩年に手がけた作品であり、1981年に開館した地下2階、地上2階の建物である。外側には窓がほとんどなく、内側には噴水のある円形の吹き抜けがある。地下2階は講演会や映画上映に使われるホール、地下1階の主陳列室は1階まで吹き抜けの大きな空間となっている。2階展示室は「サロンミューゼ」と名付けられ、かつてはここでお茶を飲みながら美術品を鑑賞することができた。建物は堅牢で耐震性には問題がないということであるが、開館から32年を経過し内部設備の大規模な改修が必要になった。これまで開館当初の姿がほぼそのままの状態で保たれてきたが、今回の改修でも照明設備の更新とLED化、摩耗した床材の張り替えを除くと、外観、内装の変更はともに最低限に留めるとのこと。白井がヨーロッパで買い付けてきたソファなどの調度類や、彼がデザインした照明具や案内パネルなどは引き続き使用されるようだ。
 3月10日(日)まで「渋谷区小中学生絵画展」「渋谷区立小・中学校特別支援学級連合展覧会」(入場無料)が開催されており、展示終了後から休館となる。なお、開館中は受付で申請すると建物の見学と撮影が可能である。[新川徳彦]


上記2点、松濤美術館エントランスと内部の吹き抜け
提供=渋谷区立松濤美術館


白井晟一デザインの照明器具と案内板
筆者撮影

2013/02/26(火)(SYNK)

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