artscapeレビュー
米田文 展
2013年03月01日号
会期:2013/02/09~2013/02/17
祇をん小西[京都府]
金沢を拠点に活躍している陶芸家の米田文。これまで関西での発表がどれぐらいあったのか知らないが、私は本展で初めて彼女を知った。今回の作品は、時期にちなんで小さな雛飾りがメイン。ほかには、ぐいのみ、小碗、箱があった。雛飾りは2段から5段まで40点近くあり、どれも全長2.5~5センチほどの小品。細部までしっかりとつくり込まれており、思わず手に取って見入ってしまう。釉薬の色彩は九谷焼との共通性が色濃く感じられ、このあたりはさすが金沢の作家である。雛飾りは高価で場所を取り、保管にも気を使うが、彼女の作品なら気楽に愛玩できる。ミニチュア陶器の節句飾りもいいものだ。
2013/02/10(日)(小吹隆文)