artscapeレビュー

PAT in Kyoto 京都版画トリエンナーレ2013

2013年04月01日号

会期:2013/02/23~2013/03/24

京都市美術館[京都府]

版画の最新動向と注目作家を発信する新たなトリエンナーレが、京都に誕生した。この「PAT in Kyoto~」では、一般公募ではなく、美術関係者からなるコミッショナーの推薦制を導入。また、作家数を抑えて1人あたりのスペースを広く取ることで、質の高い展示を行なえるよう注力した。21人の出品作家は大半が30~40代で、紙にインクで刷るオーソドックスな表現はもちろん、写真とデジタル技術を駆使した作品や、インスタレーションなど、実に多様だった。版画や既存の芸術ジャンル全般に言及する攻めの姿勢で作家をセレクトしたことは、高く評価されるべきだろう。一方、イベントの周知を図る情報発信や、批評活動の活性化については課題が残った。3年後の第2回では、ぜひそれらを克服してほしい。

2013/02/22(金)(小吹隆文)

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