artscapeレビュー
奥田輝芳 55 DRAWINGS
2013年04月01日号
会期:2013/03/12~2013/03/17
ギャラリー恵風[京都府]
展覧会初日に55歳の誕生日を迎えた奥田が、語呂合わせなのか、2008年以降のドローイングから55点を選んで個展を行なった。ドローイングといっても画風はタブローと大差がなく、支持体がキャンバスか紙かの違い程度である。ただし、これらの作品はもともと発表を想定しておらず、その分トライアルの痕跡が生々しく残っている。ドットが浮かぶ作品、水平線が何本も並ぶ作品、少ない線で構造物のような形を描いた作品などがあり、時々の関心の変遷と、完成に至る道のりがつぶさにうかがい知れた。絵画作品は最後の表面しか見えないので、制作過程を読み取るのが難しい。時々このようなドローイング展を行なってくれると、観客としては大変助かる。
2013/03/12(火)(小吹隆文)