artscapeレビュー
ミケランジェロ展──天才の軌跡
2013年10月15日号
会期:2013/09/06~2013/11/17
国立西洋美術館[東京都]
日本では絵画がほとんど来なくても「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」が成立するように、彫刻がほとんど来ない「ミケランジェロ展」だってノープロブレムだ。彼らほどの底なしの天才となれば、素描だけでも十分鑑賞に耐えるからだ。実際、素描を見せられても「なんぼのもんじゃ」と思うけど、たとえば高校生のころ穴の空くほど複製を見つめ、模写も試みた《レダの頭部習作》の本物を目の当たりにすると、やはり心が動かされる。何通か公開されている手紙も必見もの。直筆文字は意外にも活字のようにていねいに書かれているし、ある手紙にはその日に食べた料理が「パン2個、ワイン1瓶、ニシン1匹」といったようにイラスト入りで記されている。几帳面な性格だったようだ。そんなことがわかっただけでもうれしい。
2013/09/05(木)(村田真)
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