artscapeレビュー
「第1回 未来の風景をつくる 学生実施コンペ」最終審査会
2013年10月15日号
会期:2013/09/07
株式会社マミヤ[愛知県]
名古屋から赤池へ。間宮晨一千が企画した「未来の風景をつくる学生実施コンペ」の最終審査会に出席した。現在、開発中の郊外の住宅地にまとめて隣接する3棟の家のあり方を東海圏の大学の研究室が提案するというもの。審査員は、間宮、原田真宏、藤村龍至、五十嵐である。17の大学研究室が模型とドローイングを展示し、午前に巡回審査をしてから投票を行なう。これだけ票が割れないのもめずらしいくらい、ほとんど全員一致で、すんなり6作品が決まる。午後は各研究室ごとに、プレゼンテーション、質疑応答、討議を繰り返し、じっくりと時間をかけて審査をした。最後は、どの案も一長一短があり、最優秀をひとつに絞るのは難航した。審議の結果、デザインはまだこなれていないが、ロジカルな初期条件の設定があり、失点が少ないことから、最優秀は名大の脇坂研に決定する。次点は、むしろ中間講評の低層案がよかったが、庭を共有する囲み型を評価された中部大の中村研。そして五十嵐賞は、のびしろを期待して、半地下的な空間をもつ家が連なる名城大の生田研とした。審査会場は、間宮が設計した新しい事務所ビルである。内外の印象の差が大きいため、ガワだけを残して、内部を入れ替えたリノベーションにも見える。
2013/09/07(土)(五十嵐太郎)