artscapeレビュー

五十嵐研ゼミ旅行3 安藤忠雄の《水の教会》(1988)ほか

2013年10月15日号

[北海道]

3日目は、灘本幸子が温室をリノベーションした《十勝ヒルズ》(2013)のエントランス施設、テクスチャーが強い存在感を放つ象設計集団による《森の交流館・十勝》(1996)と《北海道ホテル》(1995/2001)を訪れた。安藤忠雄の《水の教会》(1988)と《渡辺淳一文学館》(1998)も見学したが、前者はさすがウェディングチャペルならではの空間的な仕かけに感心した。本物の教会ならば、大きなガラス窓が横にスライドして全開する飛び道具は必要ないだろう。最後のイサム・ノグチによる《モエレ沼公園》(2005)は、ランドスケープとアートが融合したものだが、日本らしくないスケール感のデカさが圧倒的だった。なにしろ小山がつくられている。建築ではなかなかできない空間の体験だ。

写真:左上=《十勝ヒルズ》、左中=《森の交流館・十勝》、左下=《北海道ホテル》、右上=《水の教会》、右中=《渡辺淳一文学館》、右下=《モエレ沼公園》

2013/09/04(水)(五十嵐太郎)

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