artscapeレビュー

日産アートアワード2013

2013年10月15日号

会期:2013/09/18~2013/11/04

BankARTスタジオNYK[神奈川県]

日産自動車創立80周年を機に、今年から隔年で開かれるアワード展。5月末にヴェネツィアで開かれた第1次選考で8人のアーティストが候補に上がり、約3カ月かけて制作した作品がBankARTに展示されている。それをもとに5人の審査員がグランプリを決めるというシステムだ。審査員は南條史生、逢坂恵理子、ファン・ドゥ、ジャン・ド・ロワシー、ローレンス・リンダーで、アーティストは安部典子、小泉明郎、増山裕之、宮永愛子、西野達、篠田太郎、鈴木ヒラク、渡辺英司。グランプリに輝いたのは宮永愛子で、賞金500万円と名和晃平デザインのトロフィーが贈られた。めでたしめでたし。ではなくて、なんで海外から3人も審査員を招いているのに候補アーティストは日本人だけなのか、なんで「年齢を問わず」と書いてあるのに40代前後のアーティストばかりなのか、なんで名和は候補に選ばれずトロフィーをデザインする側に回ったのか、そもそも8人の候補者はどういう規準で選ばれたのか、絵画は最初から対象外だったのか、ナゾは深まるばかり。それより問題なのは、鳴り物入りのわりに全体的に作品がパッとしないことですね。

2013/09/25(水)(村田真)

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