artscapeレビュー
子育てと美術
2013年10月15日号
会期:2013/09/09~2013/09/14
藍画廊[東京都]
「美術と子育て」ではなく、「子育て」を先に持って来たところに企画者の思いがにじみ出ている。片隅に1畳ほどの臨時託児所(?)も設けられてるし。出品作家は7人(+子ども)。青木聖吾は人の顔のシルエットをぼんやりと描いている。子どもが最初に見る親(大人)の顔か。河田政樹は子どもが汚したシーツと自分の絵を併置している。なるほど、大差ない。子どもとのコラボレーション作品もあって、こうなると美術も遊びも子育ても境界線がなくなってくる。稲垣立男はイギリス滞在時に親子でグラフィティ・ワークショップ(さすがバンクシーの国!)に参加したときの作品を展示。子どもは「ARMY MAN」、オヤジは「VIAGRA」と書いている。稲垣が子どものころ父親がつくってくれたというバットも再現しているが、これがまるで男根。子育てと性の関係も追求すべきテーマかもしれない。
2013/09/14(土)(村田真)