artscapeレビュー
陶器浩一、大西麻貴+百田有希/o+h、永井拓生、高橋工業《さとうみステーション》ほか
2016年08月15日号
[宮城県]
竣工:2013年
大西麻貴+百田有希の《さとうみステーション》へ。大胆な曲線が立面に展開し、道路からもすぐにわかる強い視認性をもった形態である。こちらも日曜で休みだったが、内部はよく見える。6mmの鋼板を曲げた大小のアーチを複数組み合わせながら、建築空間をつくる。手すりなどの細部はかわいらしい。構造は陶器浩一、施工は被災した気仙沼の高橋工業である。すぐ近くには、チャオ・ヤン、妹島和世、渡瀬正記らによる気仙沼大谷のみんなの家と、陶器浩一研による竹や土を使った《竹の会所》が建てられていた。いずれも海に面しており、よく使われているようだった。くまもとアートポリスのように建築家物件が点在するが、3.11後の被災地は小さく明快でシンプルな作品が多く、必ずしも公共建築ではなく、独自にファンドレイジングしているケースも少なくない。
写真:左上2枚=《さとうみステーション》 左下・右上=《気仙沼大谷のみんなの家》 右中上=《浜の会所》 右下2枚=《竹の会所》
2016/07/17(日)(五十嵐太郎)