artscapeレビュー
チャンキー松本 おいてけぼりの町
2011年03月01日号
会期:2011/02/07~2011/02/20
ギャラリー月夜と少年[大阪府]
彼が近年精力的に取り組んできた貼り絵のシリーズを中心に、ドローイング作品も併せて出品。貼り絵は手でラフに裂いた紙を貼り付けたもので、水平線を強調した風景画が多い。絵柄は作者の心象を反映しており、メランコリックな風合いが持ち味だ。また、作品は1点ずつポートフォリオ仕立てになっており、観客は作品を手に取り、一対一で向き合うことになる。それはまるで作家の独白を聞いているような感覚で、額装された作品を見るのとは全然違う濃密な体験だった。この展示方法こそが本展のキモである。
2011/02/07(月)(小吹隆文)