artscapeレビュー
プレビュー:大駱駝艦『灰の人』/「Action Sound Conflict」
2011年03月01日号
二月は横浜でTPAMやWe Danceがあるなど公演が盛りだくさんで、あれもこれもと見られなかったものが続出しましたが、台風一過、三月は公演数で言えば穏やかです。一番の注目株は、大駱駝艦『灰の人』(2011年3月17日~21日@世田谷パブリックシアター)でしょう。本レビューで何度も取り上げてきたように、大駱駝艦の若手(と言ってもリーダー格のメンバーたちは中堅の貫禄と実績を有しています)による壺中天公演はいま見られる舞踏公演のなかでもっともキャッチーかつ今日的リアリティをおびたものだと言っても過言ではないでしょう。彼らのボスである麿赤児が中心となって上演される本作は、きっと麿と若手(中堅)のあいだでの緊張感みなぎる舞台を生み出してくれることでしょう、ぼくはそこに期待をかけています。ほかにはイベントですが「Action, Sound, Conflict」(2011年3月21日@六本木Super Deluxe)も要注目。大橋可也&ダンサーズがアグレッシヴなバンド・空間現代と組んで新たな一面を見せてくれることでしょう。それにゲストがすごい。ECD、OFFSEASON(伊東篤宏+HIKO+黒パイプスターダスト)はもちろんのこと、若手劇団注目株のロロ、小林耕平とのセッションでも話題のバンドcore of bellsが出演となれば、見過ごすわけにはいきません。
2011/02/28(月)(木村覚)