2021年12月01日号
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artscapeレビュー

2010年07月01日号のレビュー/プレビュー

死なないための葬送──荒川修作 初期作品展

会期:2010/04/17~2010/06/27

国立国際美術館[大阪府]

荒川修作が渡米前に夢土画廊と村松画廊で発表した棺桶のような立体作品20点あまりを発表した展覧会。通常棺桶は床に寝かせて用いられているはずだが、今回の展示では壁に立てかけて見せられていた作品が多かった。その方が棺桶の内側に仕込まれたオブジェなどを見せやすいのだろうが、そもそも荒川修作は当初どのように見せていたのかが気になる。

2010/06/06(日)(福住廉)

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レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート

会期:2010/04/03~2010/06/20

サントリーミュージアム[天保山][大阪府]

ポール・マッカーシー、デュマス、ライプ、キーファー、ロスコ、ジャネット・カーディフから、小谷元彦、小泉明郎、梅田哲也、伊藤彩、草間彌生まで、古今東西ありとあらゆるアーティストを寄せ集めた展覧会。思わせぶりな展覧会のタイトルは、人と響き合わないアートがはたしてアートといえるのかを考えてみれば、建前以上のことは何も意味していないことがわかる。

2010/06/06(日)(福住廉)

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ファッション奇譚──服飾に属する危険な小選集

会期:2010/04/15~2010/06/27

神戸ファッション美術館[兵庫県]

ファッションの本質をオリジナルとコピーの問題に求めた画期的な展覧会。「フセイン・チャラヤン」展にしろ、「ラグジュアリー」展にしろ、ファッションの展覧会といえば、デザイナーによるオリジナルの「作品」に焦点を当てるばかりで、コピーの問題を考えることはほとんどないが、現在のファッションの現況を振り返ってみれば、それが決して無視できる問題ではないことは明らかだ。ハイファッションによる人気のデザインはたちまち模倣され、他のブランドによって格安で提供されることによって大衆が消費するというシステムが社会に定着しているからだ。美術家・岡本光博はこうした社会の現実を反映させた作品としてブランドバッグの生地を使ったように見える《バッタもん》というバッタの立体作品を発表したが、ルイ・ヴィトンからのクレームで展示から外されてしまうという事件が発生した。わざわざ公立美術館の展覧会に介入してくるほど、ラグジュアリーブランドにとってオリジナルとコピーの問題はことほどかように深刻な事態なのだろう。けれども、そのように踏み込んでくることによって、ファッションの今日的な問題を検証しようとした展覧会が踏みにじられたということは事実であり、じっさい《バッタもん》を見ることはできなかった。
ルイ・ヴィトンがいったいどのような考えで、こうした検閲行為に
踏み込んでいるのか、理解に苦しむ。

2010/06/06(日)(福住廉)

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中居真理 展“Patterns”

会期:2010/06/05~2010/06/16

AD&A gallery[大阪府]

部屋の隅を撮った写真を組み合わせた作品と、横断歩道の縞模様を組み合わせた作品を出品。前者は1辺5センチほどのタイルに焼き付けられ、16ピース1組で構成されたものを、縦10段×横9列に並べるなどして展示された。後者は1辺約12、3センチのピースを1,000点以上用いて、帯状に画廊壁面を取り巻くよう展示された。幾何学的模様が抑揚なく繰り返される様子はミニマル音楽を連想させ、同時にオプアート的な錯視効果も取り入れられていて刺激的。各ピースが磁石で固定されているため、場の特性に応じて自由に姿を変えられるのも面白い。

2010/06/07(月)(小吹隆文)

町谷武士『庭の眺め・ともだち』展

会期:2010/06/08~2010/07/02

ギャラリーエフェメール[大阪府]

板にレリーフ状の彫りを入れて彩色した平面作品をつくっている町谷だが、今回はガラリと変わって人形を数十体も出品。平面作品の制作などで発生する木片を用いたもので、発表の予定もなくコツコツと制作してきたものだ。メキシコのカチーナ人形を思わせる異形がブサ可愛くて、一般受けはよさそう。雑貨屋に並べれば人気者になるかもしれない。アーティストのもうひとつの側面が見られてラッキーだった。

2010/06/08(火)(小吹隆文)

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