2017年10月15日号
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artscapeレビュー

木×仏像─飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年

2017年04月15日号

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会期:2017/04/08~2017/06/04

大阪市立美術館[大阪府]

仏像の展覧会といえば、時代、様式、仏師などをテーマに構成するのが一般的だが、本展は一味違う。素材の「木」に着目して、飛鳥時代から江戸時代まで約1000年にわたる変遷をたどるのだ。仏像の素材には、金属、石、木などがあるが、木彫仏が広く普及し、技術的にも高度なレベルに達しているのが我が国の特徴だ。技法的には、一木造から割剥造、寄木造へと進化し、樹種も技法の進化に伴って、クスからカヤ、そしてヒノキへと主たる素材が移り変わっていく。また、造仏にあたって由緒のある霊木を用いる、寺社の建て替えや災害等で発生した廃材を転用するといった例もあり、日本人と木の深くて長い関わりを、仏像を通して知ることができた。展示総数55件と中規模で、仏像の所蔵元も大阪、奈良、京都など地元の寺社からお借りしたものが大部分を占める。隣県の奈良国立博物館で行なわれている「快慶」展と比べたら地味な印象が強い本展だが、じつは独創的な着眼点に基づく見応え満点の企画なのであった。

2017/04/07(金)(小吹隆文)

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