2017年06月15日号
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artscapeレビュー

千葉鉄也展

2017年04月15日号

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会期:2017/03/13~2017/03/25

クロスビューアーツ[東京都]

千葉が絵画を始めてもう20年以上になるが、その姿勢は一貫している。それはつまり「絵画」だ。絵画とはなにか、絵を描くとはどういうことか。それを絵を描くことで表現し続けている、といっていい。例えば《ミズウミ》。画面上から薄い青灰色、下から濃い青灰色の絵具をたっぷり塗っていき、徐々に混ぜてグラデーションにする。できた画面は波立つ湖面のようにも見えるが、それはあくまで絵具を塗り混ぜるという行為の結果にすぎないのだ。もうひとつ、タイトルは忘れたが、とても気に入った作品に、たしか正方形の画面に幅1センチほどの線がジグザグに交錯する絵があった。線は画面の縁まで来ると折り返し、また縁まで来ると折り返し……を繰り返して画面を埋め尽くしている。一見、絵具で線を延々と引き続けたように見えるが、じつはそうではなく、記憶に間違いがなければ、初めに1本のマスキングテープで画面をジグザグに覆い、そのテープをはがしながら余白に絵具を塗っていったのだという。だから絵具はつねにキャンバスの白い部分(とテープの上)に塗られ、絵具の上に重なることはない。絵画の原理・原点を見せられたようで、ハッとする。

2017/03/23(木)(村田真)

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