artscapeレビュー

BankARTライフIII「新・港村」

2011年09月15日号

会期:2011/08/06~2011/11/06

新港ピア[神奈川県]

ヨコハマトリエンナーレ2011の特別連携プログラムとして、新港ピアの広大な空間を使ったBankARTの無謀な試み。そもそも新港ピアは横トリのメイン会場として建てられたものじゃなかったっけ? なのに今回は新港ピアを使わず、横浜美術館と日本郵船倉庫をメイン会場にし、そのため日本郵船倉庫を拠点にしているBankARTが新港ピアに移るという玉突き現象が起きてしまったのだ。最初から横浜美術館と日本郵船倉庫(第1回に使った赤レンガ倉庫でもいいが)を横トリの会場に決めておけば、毎回会場が変わることもなく、新港ピアを建てるムダも省かれたのに。まあいろいろと裏事情があるんでしょうねえ。で、新・港村は新港ピアをひとつの村に見立て、そこに大小3つのギャラリーや劇場、工房、各地のアートNPOのブース、スクール校舎、ブックショップ、カフェなどを配する壮大な計画……のはずなのだが、オープニングの時点では未完成部分もあり、とくにいちばん奥の気鋭の建築家数人に設計を任せたゾーンは半分もできていなかった。ヨコトリ本体がこぢんまりとまとまっているだけに、中途半端感は否めないが、会期中に現在進行形で建設されていくのを見せるのも動的で悪くないかも。35歳以下の若手アーティストを紹介するU35ギャラリーの「西原尚展」、梅佳代らが被災前の八戸の人や風景を撮った写真展「八戸レビュ─」(新・港村ギャラリー)、関内のギャルリーパリと同時開催の「フランシス真悟展」(HHギャラリー)などはこの日、無事オープン。

2011/08/06(土)(村田真)

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