2020年08月01日号
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artscapeレビュー

映画『宇宙人ポール』

2012年02月01日号

会期:2011/12/23

シネ・リーブル梅田ほか[大阪府]

B級映画(B-movie)という言葉がある。1930-40年代、いわゆるハリウッド黄金時代に同時上映のため短期間撮影・低予算で制作された映画のことが転じて、一般用語となったものだ。つまり低予算映画のこと。たんに技術的に衰える映画を指すこともあって、実際その定義は曖昧である。今回、紹介する映画『宇宙人ポール』はB級映画としてプロモーションされているが、結構な質、とくに宇宙人ポールのCG処理は見事なものだった。家庭用AV機器の質が高くなったこともあり、近頃は「これ、映画館でみるべき?」と思ってしまう映画が多いなか(とくにTVドラマの劇場版にはうんざりしている)、本作は物語と映像が、両方楽しめる作品となっている。
マンガとSFが好きな、いわゆるオタク系のイギリス人男性二人が、アメリカでUFOスポット巡りをしている最中にポールと名乗る宇宙人に遭遇し、ポールを故郷の星に返そうと奮闘するSFコメディだ。ありがちな見飽きたストーリーだが、思わず笑ってしまうブラックユーモア(ただ同性愛に対する差別的言動も多く、不愉快なところもあるが)や、『E.T.』や『未知との遭遇』といった、SF名作へのオマージュも満載でSF映画ファンなら、見答え十分だ。[金相美]

2012/01/04(水)(SYNK)

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