2020年08月01日号
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artscapeレビュー

チャールズ&レイ・イームズ『コンピュータ・パースペクティブ──計算機創造の軌跡』

2012年02月01日号


出版社:筑摩書房
発行日:2011/08
価格:1,470円(税込)
判型:文庫判、336頁

スティーブ・ジョブズの訃報はいまだ記憶に新しいが、改めて一度、コンピュータの発達史を図入り資料で振り返ってみるのもいいだろう。本書は、建築家/デザイナーのチャールズ&レイ・イームズのオフィスが企画した、IBMによる同名の展覧会(1968年に起案、71年に実現)を書籍化したもの。イームズ夫妻はIBM社に20年間にわたって参画し、50以上の映画・展覧会・書籍をつくった。本書は1890年代におけるチャールズ・バベッジの「解析機関」にはじまり、1950年前後の巨大な計算機器(UNIVACや米空軍が依頼したSEAC)の登場で終わっている。丹念に集められた膨大な歴史資料と写真の数々に目を瞠らされる。イームズが人々に「科学」をヴィジュアルに見せるにあたっていかに力を注いだかについては、《パワーズ・オブ・テン》など、ショート・フィルムの存在がよく知られていよう。読了後、戦後アメリカのインダストリアル・デザインを育てた土壌とそこで活躍したイームズ夫妻の創造的営為がまず脳裏に浮かび、続いて彼らの「科学と芸術」の融合にかけた情熱のひたむきさに胸打たれた。[竹内有子]

2012/01/09(月)(SYNK)

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