2021年09月15日号
次回10月1日更新予定

artscapeレビュー

プレビュー:池田扶美代『in pieces』、快快『りんご』、悪魔のしるし『倒木図鑑』、神里雄大『杏奈(俺)』、笠井叡『あんまの方へ』ほか

2012年09月01日号

9月も横浜が熱いです。KAATのイベント「KAFE9」では、ローザスのメンバーとして活躍してきたダンサーで振付家の池田扶美代がイギリスの演出家ティム・エッチェルスと制作したソロ作品『in pieces』(9月7日~9日)や快快の新作『りんご』(9月13日~16日)、悪魔のしるしの新作『倒木図鑑』(9月27日~30日)などが要注目。それに「We dance 横浜2012」(9月22日)も忘れずに。ダンサーや振付家たちが主体的にダンスの未来を模索するイベント「We dance」の5回目となる今回は、ディレクターを白神ももこが務める。気になるのは岡崎藝術座の神里雄大によるダンス作品『杏奈(俺)』。ダンサーとのコラボレーション作品らしいのだけれど、神里演劇が見せる濃密な身体の質をダンスとしてみせるのか、それともまったく異なる(たとえば、ダンサーとの対話それ自体が作品の核となるような)アプローチで行くのか、とても楽しみだ。ほかには「DANCE TRUCK PROJECT」なる企画がユニーク(9月7日~9日@新港ふ頭入口前 特設会場)。ケータリングカーを舞台に、ダンサーやミュージシャンなどがパフォーマンスを行なう企画らしい。詳細は不明。でも神村恵、白井剛、東野祥子、ほうほう堂、山川冬樹などが出演予定というから期待できそうだ。と、いろいろと挙げたけれども、一番注目しているのは「大野一雄フェスティバル2012」での笠井叡の公演『あんまの方へ』(9月29日@BankArt Studio NYK 3F)。1960年代、土方巽と刺激し合いながら舞踏の原型を形づくった舞踏家の笠井があらためて最初期の舞踏を問う作品だという。これは見過ごせない。ちなみに、タイトルの一部である「あんま」は63年の土方の作品『あんま──愛慾を支える劇場の話』に、「の方へ」は65年の作品『バラ色ダンス──A LA MAISON DE M. CIVECAWA(澁澤さんの家の方へ)』に由来する。

2012/08/31(金)(木村覚)

2012年09月01日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ