artscapeレビュー
國府理「ここから 何処かへ」
2012年09月01日号
会期:2012/07/28~2012/09/09
京都芸術センター[京都府]
南北2つの展示室を舞台に、2点の作品が出品された。南ギャラリーでは、電動の軽トラックが微速で直径約6メートルの円を描いており、周回の途中でヘッドライト部から映像が投影されていた。北ギャラリーの作品は、巨大なパラボラに土が敷き詰められ、シロツメクサの種がまかれている。天井の照明は建物屋上に設置された風力発電機(これも作品)と連動しており、風力による光でシロツメクサの発芽を助ける仕組みになっている。國府の作品は主に機械を用いており、メカへの憧れと現代文明への警鐘を同時に含む点に特徴がある。本展は後者に重きを置いているようだが、風力発電の光があまりにもか細い現実を前に、むしろエコ原理主義への皮肉ではないかと勘ぐったりもした。
2012/07/30(月)(小吹隆文)
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