2021年12月01日号
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artscapeレビュー

カミーユ・ピサロと印象派──永遠の近代

2012年09月01日号

会期:2012/06/06~2012/08/19

兵庫県立美術館[兵庫県]

すべての「印象派展」に参加した唯一の画家で、メンバーの長兄的存在だったカミーユ・ピサロの回顧展。ピサロといえば厳格な構図に基づく安定感のある画風が特徴で、それゆえモネやセザンヌに比べると地味な印象を持っていた。しかし、本展ではピサロの作品の合間に盟友たちの作品を挟むことで、彼らの相互的な影響関係を提示していたのが興味深かった。また、活動期間を偏りなく紹介したことも手伝って、とてもわかりやすい展覧会に仕上がっていた。不満があるとすれば以下の2点。まず、セザンヌとの交流が活発だった時期のコーナーでセザンヌの作品が展示されなかったこと。もうひとつは最終章の扱い方。キャプションでは晩年の仕事をとても好意的に解釈していたが、私には点描画を諦めた時点でピサロは頭打ちになったように思えた。ただ、それらはあくまで私の主観に過ぎない。客観的に判断して、本展が上出来の展覧会であることは間違いない。

2012/08/18(土)(小吹隆文)

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