2021年12月01日号
次回12月15日更新予定

artscapeレビュー

西村大樹 展「月日」

2012年09月01日号

会期:2012/08/24~2012/09/02

法然院[京都府]

現実の風景をもとに、一種の心象風景を描き出す西村大樹。彼は作品が単なる内面の表出に終わることをよしとせず、複雑な工程のエスキースを制作している。その工程とは、自分で風景を撮影し、プリントをサンドペーパーで削った後、酸化したアルミ板に貼り付け、最後にほんの少しドローイングを加えるというものだ。このエスキースをもとにタブローを制作することにより、作品は自己の内面と外界(自然)の接触から誘発されたものとなり、スケールの大きな普遍的表現になるのである。本展ではタブロー15点に加え、エスキース19点も展示された。エスキースの並置によりタブローの意図が明確になり、西村作品の理解が一層深まったことが本展の収穫である。

2012/08/24(金)(小吹隆文)

2012年09月01日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ