artscapeレビュー

中村哲也「フォルムズ」

2013年02月15日号

会期:2013/01/18~2013/02/11

A/Dギャラリー[東京都]

中村はここ十数年、見た目がチョー速そうな(だけでじつはなんの力学的根拠もない)デザインの車体モデルと、そのスピードを誇示すべく車体に塗布する火焔パターンをつくっている。いってしまえば「ハッタリ」だが、それを徹底的に追求すればこんなにカッコいいアートになるという見本だ。壁に1メートル超の車体モデルが11台(+4メートルほどのモデルが1台)、床に5メートルほどの骨組だけのモデル(というより穴だらけの車体といったほうが正確)がドーンと1台。ほかに数十点のドローイングが展示されている。いずれもいまや死語に近い「流線型」の極致で、メタリックな火焔パターンが塗装されているのだが、驚くのはこれらがすべて「手づくり」ということだ。これぞ究極の職人芸! これぞクールジャパン!

2012/01/31(木)(村田真)

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