artscapeレビュー
鶴友那「時の集積と追憶」
2013年02月15日号
会期:2013/01/12~2013/02/09
目のまわりが黒ずんだ女性(と花)をモデルにした絵。女は和服を着ているものが多く、ちょっと不健康で退廃的な大正ロマンの香りを漂わせる。と思ったら、作者は関東大震災後の大正時代を東日本大震災後の現代にダブらせてるそうだ。これで女の手足を切断したら会田誠になる……ならないか。作者の鶴(名前からして抜きん出てる)は今年26歳、佐賀大の大学院を出たばかりの若手というから驚く。聞くところによると、リアリズム絵画で知られる小木曽誠が教鞭をとる佐賀大学文化教育学部からは、有望な画家がすでに何人も輩出しているとのこと。美大でないからといってあなどれない。
2012/01/31(木)(村田真)