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「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」展

2013年02月15日号

会期:2012/12/21~2013/02/11

愛知県美術館[愛知県]

愛知県立美術館の「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」展は、重要なコレクション作品に焦点をあてるが、クリムトの絵画そのものはさほど多くなく、むしろその文化的、あるいは時代の背景をていねいに紹介する。個人的には、彼らの雑誌『ヴェル・サクルム』の各号、ホフマンやモーザーによる家具のデザインなど、周囲の状況に関心があるので、興味深いものだった。当時は議論を巻き起こしても、いまや歴史化されているのを見ると、グループを結成し、自ら雑誌をつくり、展覧会を行なうことの重要性を改めて感じる。それにしても、象徴主義から影響を受け、独自の世界観を生んだクリムト的なものは、ひとつの発明であり、その後のサブカルチャーにも充分浸透していた要素だと改めて思う。

2013/01/16(水)(五十嵐太郎)

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