artscapeレビュー

坂口恭平 新政府 展

2013年02月15日号

会期:2012/11/17~2013/02/03

ワタリウム美術館[東京都]

ワタリウム美術館の坂口恭平展へ。個人的には、彼自身よりも、まず彼を受容する坂口現象に興味がある。ネタとしての天才・会田誠ではなく、尾崎豊のようなベタな天才肌だ。今回、多くのドローイングを見ながら、彼は造形の人ではなく、本質的にアウトサイダーアート的な絵描きなのではないかと気づく。同時開催の森本千絵にも同じ匂いがあり、ワタリウムは一貫している。坂口の路上観察にはあまり新しさを感じないが、ゼロセンター以降の動きは、とことんその先を見たい。美術館の近くにゼロセンターを立ち上げる実行力もさすがだ。ただ、美術館内は撮影禁止である。0円主義なら、スケッチやアイデアの画像所有権にこだわらず、どんどん来場者に撮ってもらい、思想を拡散させればよいのに。

2013/01/20(日)(五十嵐太郎)

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